甲斐駒ヶ岳・鳳凰三山    テント泊縦走
【日 時】  2012年4月27日(木)〜5月2日(水)  
【天 候】  
【参加者】 L)山下、西村(澄)、松田                              計3名
 

 

【コース】

 4月27日(木) 21:00発
4月28日(金)快晴
 仙流荘08:00−バス−09:00歌宿〜長衛荘10:55〜仙水小屋12:35〜仙水峠手前南側樹林テ  
 ント設営14:30−15:00仙水峠偵察15:30テント着
4月29日(土)快晴
 テント出発06:30〜駒津峰09:00〜2640m09:50〜2695m11:55〜甲斐駒山頂12:30
 645m13:30〜駒津峰(11℃)14:20〜仙水峠(14℃)15:25−15:35テント着
4月30日(日)曇り
 テント出発05:30〜仙水峠〜2365m06:45〜2490m07:30〜2575m08:10〜栗沢山2714m〜 
 2625m08:45〜アサヨ峰2799m〜2720m10:50-昼食-12:00〜2665m13:45〜2560m16:30〜
 テント設営−17:30設営終了(2℃曇り)
5月1日(月)小雨のち晴
 テント出発06:00〜263m09:45休憩2685m〜11:00アサヨ峰13:40〜栗沢山15:30休憩〜仙水峠 
 16:40−18:00長衛荘着(くもり)
5月2日(火)雨
 長衛荘出発(雨)08:00−徒歩−09:30歌宿(雨)10:20−バス−11:10仙流荘(曇り)

○山行報告(1日目)                     報告  西村澄子
4/27・28 京都を出発し、順調に仙流荘の無料駐車場に到着。満天の星空を眺め
ながら車中で仮眠。翌日お天気の良い中、二番のバスで歌宿に入る。本日は、仙水小屋までの歩き3.5H程です。山下さん先頭に松田、西村と続く、雪の無いアスファルト道です。15分程で大きな岩が、道路を塞いでいる。車1台がやっと通れる位に空いている、足早やに通過。その後も数ヶ所右手の急斜面よりの崖崩れ跡があった。大平小屋からの北沢峠の近道は雪が残っているのでそのまま雪の無い車道を行き北沢峠着。北沢駒仙小屋付近の道は凍りついていた。仙水小屋でテントかな?と思ったが、小屋のおじさんに「早川尾根に縦走予定なんですがもっと上にテント張れそうな所ありますか?」と尋ねたら「栗沢山へ少し登った所に良いテント場があるから、そこに張ると良いよ。」と教えてもらう。じゃあと言う事で、歩き出すが峠より上に登るのは無理な様なので、峠手前の右手樹林帯の中に張る。
仙水峠まで行き明日・明後日の下調べ。 ○泊

○山行報告(2日目)                     報告  松田
4/29 仙水峠から眺める甲斐駒は、圧倒されそうな岩の塊。青空をバックに、まだらに雪をつけてそそり立っている。取り敢えず駒津峰を目指す。樹林帯をどんどん高度をあげて進んでいく。やっとついたと思いきや、目の前にピークがある。ついた所はP2536だった。急斜面を喘ぎながら行くとやっと駒津峰についた。実に長い。駒ケ岳は、遥かに遠い。足もとから龍の背中のように、やせた尾根が駒ヶ岳まで続いている。岩の間を縫うように、慎重に進む。ふと見上げると雪の斜面を人が歩いている。私に登れるのだろうかとため息がでる。長く左手にピッケルを持っているので、左手がだるい。やっと甲斐駒だ。遠くに塩見、目の前にずんぐりむっくりの雪の仙丈、左手に北岳。疲れがふっとびました。下りは慎重におりました。行きも長かったが、下りも長い。 

○山行報告(3日目)                     報告  山下
4/30  5時30分、今回の本命・鳳凰三山に向かって出発。先日までの晴天は一気に変化し曇天となる。仙水峠では多くの山人は左に方向を変えて駒津峰から甲斐駒を目指すが私達は右手に向きを変えて栗沢山を目指す。暫く人が入っていないのか薄いトレースが僅かに認められる程度。取り付きは岩がむき出しているが直ぐに樹林となる。枯れ枝があちこちに落ちていて、雪も締まりが無く足を踏み込むとスポット抜けてしまう。踏ん張れない。一歩一歩踏み込む足が雪に取られて息が荒くなり力がそがれる。樹林を抜けると一面の稜線となるがよく見るとハイ松の枝や石楠花の枝が顔を出している。慎重に枝を避けるように白い雪面に足を踏み込んで行くが時に膝まで、酷いときには股関節まで雪面を踏み抜いて身動きが取れなくなる。辛くて体力を奪われる。もがけばもがくほど体力を消耗した。栗沢山頂上直下は垂直に近い雪と氷の壁でピッケルを差しアイゼンを蹴り込んで頂上に到達。最初の栗沢山を抜けるのに三時間あまり費やした。栗沢山頂上から稜線がなだらかに落ちている。鞍部を過ぎたこと頃からアサヨ峰に向かって雪が飛んで岩稜となる。アイゼンを付けたままでの岩稜歩き。足下がふらつく。雪面を歩くのも疲れたが岩稜歩きも疲れる。ザイルを出すほどではないが乗り越えるのに難渋する場面も何カ所か遭遇する。岩稜でアイゼンが滑ると思うと肛門がキュツと締まる。アサヨ峰通過にも2時間あまりを費やした。栗沢山・アサヨ峰、2峰を越えるのに5時間を使う。エアリア夏時間では2時間30分、2倍の時間が掛かった。今日の予定を大幅に修正する必要が出てきた。アサヨ峰を過ぎて行動食をほおばる。岩陰に身を沈めて風を避ける。アサヨ峰頂上からは富士山が眺望できたがその後、空に雲がかかり風が出て悪化の方向に向う。アサヨ峰を越えて早川尾根に取り付くには一度鞍部におりて登り返す行程が待っていた。下り登り共に雪面に足を取られて思うように距離が稼げない。鞍部に向かってトレースと赤札が消えた。西村さんの決断で沢をバックステップで20mほど降りていく。昨日から何度このバックステップを経験した事か。当然足を踏み外すと沢を滑り落ちる事になる。今回もお尻の穴が締まる。沢を真っ直ぐに降りてトラバース気味に樹林の中に突入、尾根を目指して入り込むと赤札が目に飛び込み元のトレースに戻る。コルに降りて早川尾根に取り付く。この頃から当初予定の赤薙の頭から早川尾根避難小屋に予定を変えて歩みを進めるが思うよちでシュラフに潜る。

○山行報告(4日目)                     報告  西村澄子
5/1 前夜より雨が時折強くテントを叩いています。昨日の協議では、前進あるのみだったが?(寝ながら考えた3.5Hが10H 掛っている、無理!!ですねェ。)
朝一、リーダーの山下さんに「戻りましょう。」と告げる。2人共 同調。雨です。
雨具上下を着けテント撤収、下山に掛かる。西村先頭、松田、山下と続く。昨日のふみ跡を戻る しばらくで、トラバースと急斜面の登り。トラバース部分は、スコスコ埋まる。急斜面での登りは左側の斜面が昨夜の雨で少し雪崩ている。
「危険な所は、素早く通過!!」と、松田さんに注意を促し、途中で休まない様歩いてもらう。が、昨日の歩きでは「無理!」と思い、途中にある木と木の間に入って一呼吸してもらい、後 一気に登ってもらう。稜線からもアサヨ峰までは雪面の急斜面が続く。アサヨ峰から栗沢山までは、小ピークの上がり降りの岩稜が続く。青木鉱泉に宿泊をキャンセルしてもらい、松田・山下さんに簡易ハーネスを着けてもらう。栗沢山からの下りは嫌らしかった。岩と岩の間に凍った雪面に少し前に降った雪が、乗っていて蹴り込むが、アイゼンもピッケルも1cm刺されば良い方。バックステップで松田さんにつかず離れず歩いていたのだが、やっと少し緊張感から解放される所で前を向く「ホッ!」と、ザーザーの音に西村動けない。松田さんが3m滑落。数本生えていたダケ樺にアイゼンが乗り止まった。ロープを着けていたなら、着けていた2人がバランスを崩し一緒に落ちていたであろう。慌ててステップを切り態勢を立て直してもらう。急斜面は続いていて樹林帯までは、まだまだ距離がある。自身と2人に引き続き緊張感を持続してもらい、バックステップで降りる。降りる程に向かいにある、摩利支天峰がず〜と下の方まで覗け恐ろしい位だ。やっと林の中まで来た。ちよっと緊張がほどけ笑顔モードで休憩。長衛荘に宿泊の連絡を入れてもらう。降りるほどに埋まり、片足が股まで埋まると抜け出すのに、エネルギーを消耗。やっと岩塊の所まで降り、仙水峠です。3人共ホッとし、アイゼンを外す。下から見上げる上部斜面は、急でした。(止まって良かったです!) 布団付&食事付の長衛荘目指し歩く。
仙水小屋にはもうテントは無かった。その下のキャンプ地には、数張りのテント。深い安堵感で長衛荘に着く。宿泊客は、私ら3人だけです。  ○泊
暖かくて美味しい食事と布団に包まり、胸を撫で下ろしていた西村でした。

○山行報告(5日目)                     報告  西村澄子
5/2 長衛荘を出発し、歌宿のバス停まで、強風と雨の中歩く。山下さんは傘を差して歩いていたが、傘が飛ばされそうだった。ストーブの点いてる待合所に
は、20名位がバスを待っていて、中は、ほぼ満員でした。出発時間より30分位
遅れてバスは出発し、仙流荘で汗を流し、鹿カツ定食でお腹を満腹にして、帰京。
 

   

inserted by FC2 system