無雪期搬出訓練
【日 時】 2012年6月24日(日)
【天 候】 晴れ
【参加者】 右京;14名)初/山下・山崎・合田・田尻・石田ち・谷川・荒木・米津・市岡・村田・清水・中大路・松田・西村(WAO;6名)(乙訓;8名)(左京;7名)(自然生;2名)(田辺;8名)(福知山;1名)(明峯;8名)(与謝;2名)(伏見;8名)(西山;20名)(山城;4名)(やましな;19名)(洛中;14名)(洛南;17名)                 合計 15労山138名
 

 

【報 告】
9:15分より開始の挨拶。西山HC担当によります【応急手当】の方法の説明。続いて、やましな山の会担当の【搬出に於けるシュミレーションの流れ】初めての机上学習に皆さん戸惑って居られたが、順調に進められた。又、やましなさんから、丁寧な説明と、補足を行って頂き14:30頃終了。
残った時間で、救助隊から昨年全国交流集会で習得して来た、ヘリ要請についての説明と、担架の作り方 等の説明。皆さんで担架をつくり良案をだして頂き終了。
                                                                               記  西村澄子
以下に『セルフレスキューの流れ』についての、解答と補足説明文を載せておきます。やましな山の会によるセルフレスキューの流れ
★事故発生
○事故現場全体の状況を把握(まず、どのような状況どんな場所で事故が起こったのか周囲の状況を
   素早く確認)
○パーティーの安全を確保(そして、パーティーの安全を確保します)
  (周囲の状況を確認せず、慌てて事故者に近づくと、事故者にとってもパーティーにとっても危険な場
   合 があります)
○事故者のところへ行く(事故現場の状況把握やパーティーの安全が守れてから事故者へ近づきます)
○ケガの状態など見る (事故者のケガなど状態を見ます)
○事故者を安全な場所へ移動(そして、事故現場に(落石・足場が悪いなど)危険があれば安全な場所へ
  移動させます。ただし、事故者をむやみに動かすと症状を悪化させる場合もあるので注意が必要です)
 ※ココまでの行動では二重事故などの被害拡大に注意する
○ ファーストエイド(応急処置)(事故者を安全な場所に移動してからファーストエイドを行います)
 (事故発生からファーストエイドまでの流れを語群の中から選んでもらいましたが、その中に「山岳会へ
  事故発生の連絡」と「これからの行動(計画)の相談」という項目もありました。これはらは、事故後直ぐ
 にする必要はなく、まず救助活動を最優先するようにしましょう。)
○ ファーストエイドが終われば救助方法の選択(自力下山搬出または救助要請の判断)
  ※この時に考慮する事柄
○事故者の容体(ケガの状態など) ○事故現場の位置 ○日没までの時間 ○救助メンバーの人数や
  力量 など
 (事故者の容体 (ケガの状態や自力歩行の可否など)、事故現場の位置(登山口・近くの山小屋まで距
  離・周囲の状況)、日没までの時間、救助メンバーの人数とその力量(搬出に必要な装備があるか)、な
  どを総合的に考え、自力下山搬出か救助要請かを判断。) (自力下山搬出か救助要請かの判断はケ
  ース・バイ・ケースでとても難しく、絶対にこれが正しい、正しかった、というようなことはないと思います。
  あとからコッチにすればよかった、アーすればよかったなど思う・出てくる、または言われることもあると
  思いますが、それは結果論で、その場にいる者がその時の判断で事故者のために最もよいと考えた判
  断をしたらいいと思います)
 (今回の仮想事故事例では、救助を要請するということなので、救助要請についてまず見ていきます)
☆救助要請   ※この時に必ずつ伝えなければならないこと
○事故発生場所 ○事故の状況 ○事故者の状況 ○事故発生時刻 
○救助要請者の情報
  救助要請者の情報とは、氏名、事故者との関係、現場との通信手段(携帯電話番  号)、
 (その他では、パーティー構成、事故者の(緊急)連絡先、所属団体、山行の留守宅本部、 (登山口や警
  察に)登山届を出したかどうか、などがあります。)
○事故者の個人情報(氏名・性別・生年月日)など(公的機関(警察、消防)に救助要請した場合、年齢だ
  けでなく生年月日を聞かれることがあります)
( 救助要請は、余計なことは言わず、必要な情報を手際よく正確に伝えることが重要です。そのために
  も、事故者の個人情報が書かれた登山計画書は常に持ち歩き、救助要請の時に伝えなければならない先ほど言った内容を書いた、フォーマット・書式も、一緒に持っておくと良いです)
(“言わずもがな”ですが、救助要請は、とても自分たちの手に負えないと判断したときであり、安易な救
 助要請は絶対にしないようにして下さい)
☆救助要請の手段
*携帯電話  どこに連絡しますか ○所轄の警察署
(どこに救助要請をするかもケース・バイ・ケースで、絶対にこれが正解というモノはないと思います。)
(ただ知識として、事故の救助にあたるのは警察・消防・民間の山岳救助隊などがあり、一般に遭難者が行方不明で捜索が必要な場合は警察、事故現場が分かっている場合は消防に連絡を、と言われています。そのためにも、事前に行く山域の所轄警察署(地域別の担当警察本部など)の番号を調べ、メモしておくとよいです。(私たちのような山岳会パーティーによる事故の場合、所属山岳会に一報を入れ会で救助方針を決める場合もあると思います。そのあたりは、各会で遭難・事故が起こった場合の救助体制があると思うので、確認してみてください。また、京都労山には連盟の救助隊もあります。連盟の救助隊への救助要請は、規定により各会の代表または家族から常任理事会の三役(理事長・副理事長・事務局長)に対して行うことになっています(※連盟総会で配布された「救助隊関連整備プロジェクト(報告)」20ページ 参照)。また、連盟に遭難対策本部を置いた場合は、各会および救助要請者は、本部長の指揮下に入ることになります(※同 11ページ 参照)。その後の細かい流れについては、連盟の定期総会で配布された「救助隊関連整備プロジェクト(報告) 」8ページに載っている京都労山の遭難救助体制を確認して見てください。)
(携帯電話で救助要請するときの注意点は、折り返し電話がかかってくるかもしれないので、その場にとどまり、他者との連絡は控えて下さい。他に連絡が必要なところがあれば、他の人の携帯電話を使うなどし、救助要請した電話は救助要請先との専用電話にすることが原則です)
*伝令に走る 
その時の注意事項は ○二人以上で行動 ○伝令内容のメモ携帯電話の電波が届かない、無線機を持っていないなど)通信手段がない時や、事故現場が山小屋や山麓から近い場合は伝令を走らせて救助要請することになります。その場合は途中でのアクシデントに備えて二人以上で行動することが理想です.また、伝令に行く者は救助要請先へ伝えなければなれないことを忘れないように、伝令内容をメモし持っていくといいです。先ほど言った、救助要請の時に伝えなければならない内容を書いたフォーマット・書式があれば、このときにも使えでも便利です)
(救助要請後は、)○ 救助隊の指示に従い救助活動 → ○ 救 出☆自力下山搬出
○搬出の準備や確認
・搬出(下山)ルートの確認(背負う・担架など)搬出方法の選択と準備・役割分担 等
(これらができたら直ぐに救助活動(搬出)をするのではなく、救助活動の前に)
○ 自力下山搬出までの総合的な再確認
(総合的なとは、救助方法の選択の時に考慮した事柄と、搬出の準備で決めたことや、救助活動に関する計画の共有などです)
○ 救助活動
(再確認をして問題がなければ、(付き添って歩く、背負う、梱包するなど)事故者の状態や下山ルートに合わせて、登山口まで自力下山搬出をし、救助します)
(これも“言わずもがな”ですが、事故者の容体が思わしくない、搬出ルート・救助メンバーの人数や力量などに不安があれば、無理をして自力下山搬出を行うのではなく、事故者のことを第一に思って救助要請をしましょう)
(一つ、搬出方法についてですが、短い距離の搬送のために時間をかけてタンカやショイコを作るなど梱包することはあまり効率がいいとは言えないので、その場に合わせた最も効率のよい方法を選ぶことが大切です。これは救助要請をして、ヘリでピックアップできる場所までの移動など救助隊の指示に従って、搬送する時も同じことが言えます)
○ 救出
◎セルフレスキューとは、事故発生後、現場にいる者が行うべき初動救助で、(公的機関などの)救助隊に受け継ぐまでのこと。
(自力下山搬出の場合は、登山口まで無事に救助、救出することを言います)
◎事故が起こったら、まず慌てず落ち着く、そして安全に行動することが第一条件。
◎セルフレスキューでは、適切かつ迅速な判断と行動を心がけ、事故者にとって少しでも楽な環境を整え、救助のために最大(最善)の努力をする、ことが最も大切。
(山で事故が発生したら様々な判断をしなければなりません。自分、自分たちに何ができるのかよく考えてから行動し、(ここからが重要で)リーダーの指示のもと、救助活動する全員が、自分が、誰が何をするのかを把握し、決してバラバラな行動をしないようにすることが大切です)
(また、必要であればより安全で迅速な救助活動のためにも、他者の協力を得ることも大切です)
 (以上で、解答例の説明は終わりなのですが、最後に一つお断りがあります。今回の一連の流れは、あくまでも基本的な一つの流れであって、実際の山岳事故は一つとして同じ状況はなく、いろいろな部分で、それぞれの状況に合わせた対応(判断と行動)が必要です。特にケガの状態やパーティー構成などによる救助方法の選択、事故発生場所などによる救助要請先などは、お話した通りケース・バイ・ケースなので、そこのところはご注意、ご理解していただきたいと思います。)   以上

 


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