• 2012年東北遠征
    『栗駒山』&『岩手山』  

    “普通例会”

  • 【日 時】

     2012年10月6日(土)〜9(火)

    【天 候】

     山行期間中は晴れ

    【例会目的】

     ・日頃培った技術を発揮して、東北の2000峰に挑戦する。
     ・東北の名峰のピークハントと、東北の山の紅葉を楽しむ。
     ・東日本大震災の被害と復興状況を見学する。

     【参加者】

    < CL>川辺,< SL>石田(忠),<BR> 西川,石田(千),谷川,荒木,村田,米津,森村,清水(若),          以上10名

    【コース】

    〔大阪/伊丹空港 10月6日(土)14;30 集合〕
     ・10月6日(土)  伊丹(16;00)-<ANA1667便>-仙台空港(17;25-17;45)-<レンタカー>-
      -(20;00)栗駒高原/“ハイルザーム栗駒” ♨ 〔泊〕
     ・10月7日(日) 宿舎(7;45)-<レンタカー>-栗駒高原P(8;10)-<シャトルバス>-
      -いわかがみ平登山口(8;30-8;40)==新湯沢徒渉点(9;50-57)=
      =東栗駒山(10;30)==東栗駒山分岐(11;30)==栗駒山/1627.4m(11;40-12;10)=
      =いわかがみ平登山口(13;55-14;10)--<シャトルバス>-栗駒高原P(14;30)−<レンタカー>−
      −一関IC−<東北自動車道>--滝沢IC-<レンタカー>-
      −(18;30)岩手雫石/休暇村“岩手網張り温泉”♨ 〔泊〕
     ・10月8日(祝)  宿舎(5;10)-<レンタカー>-馬返し登山口(5;40-5;50)==一合目(6;55)=
      =三合目(7;30)==五合目(8;20-25)==七合目(9;20-30)=
      =八合目非難小屋(9;40)==九合目/不動平(10;15-20)==火口壁(10;40)=
      =岩手山/2038.2m(11;05-35)==七合目(12;50)==五合目(11;40-45)=
      =二・五合目/新旧分岐(14;45)==馬返し登山口(15;55-17;00)--<レンタカー>-
      −(18;00)休暇村“岩手網張り温泉”♨ 〔泊〕
     ・10月9日(火)  宿舎(8;20)-<県道,アスピーテライン>-八幡平-
      −<アスピーテライン,県道他>-松尾八幡平IC-<東北自動車道>-古川IC-<R108他>-
      −東松島-<三陸自動車道>-仙台空港(14;30-15;50)-<ANA1668>-
      −-(17;20)伊丹空港 〔解散〕 

    •  
       【報告と感想】                               報告/統括SL ; 石田 忠久
      〔計画〕 右京労山の東北遠征は、昨年も計画しましたが東日本大震災があり中止しました。今年は早くから“『岩手山』に登ろう!”という話合いになり、合せて右京労山は大震災のボランティア活動に参加できなかったので、被害と復興状況の見学も行おうと今回の山行を計画しました。登り応えのある『岩手山』と、東北の紅葉を満喫しようと『栗駒山』を計画しました。
      〔10月6日〕飛行機の早割が思い通りの便が取れず、午後4時発です。飛行機はプロペラ機で搭乗もタラップと、初めての経験でした。故障が多いと一時騒がしかったボンバル社製飛行機で、途中の雲の中のエアーポケットで胆を冷やしたが、無事仙台着。大急ぎでレンタカーを借り、暗くなった中を東北自動車道から県道42号線を乗り継いで栗駒高原へ。宿舎の“ハイルザーム栗駒”は綺麗なホテル形式の宿です。夕食も遅くなったので、別の部屋に用意されていました。ささやかな入山祝いで乾杯。温泉に入って明日への英気を養う。
      〔10月7日〕 宿舎の朝食を食べて車で出発。栗駒高原Pでシャトルバスに乗り換え、いわかがみ平へ。既に多くの人で賑わっている。私達も早速に準備して、荒木さん先頭に出発する。
      登りは東栗駒コースを取る。初めは沢伝いで深くえぐれた中のコースを進む。灌木の瀬が低くなり、紅葉が始まっているのが見えてくる。約1時間強で新湯沢徒渉点に着く。ナメ滝のような流れの横を進み、最後は沢を渡る。トラロープが張ってあるが、綺麗な所だ。
      傾斜も緩くなり、灌木の背が低くなって紅葉の世界が広がっている。東栗駒山への登りがなだらかに続く。所どころにハイマツ帯が出て来てコントラストが美しい。ルートに岩が出てくると「東栗駒山」につく。ここからの『栗駒山』への斜面の紅葉は見ものでした。丁度良い感じで美しい。少し下って最後の登りに取り付く。
      傾斜はややきつくなるが、紅葉を見ながら登るので全然楽な感じだ。山頂手前で「中央コース」と合流。ここからは人の波で行列状態である。
      山頂は広く、多くの人で賑わっている。私達もコーヒーを沸かして昼食を摂る。天気も良く、展望を楽しみながらゆっくりする。
      下山は「中央コース」を降る。こちらは「東栗駒コース」より幅広い道が付けられている。全山紅葉の中をゆったりと降る。振返ると『栗駒山』の斜面が黄色く、赤く綺麗に染まっている。「紅葉日本一の山」の一つと言われるだけのことはある。
      このコースは半分を過ぎると、道はセメントで固められて歩き易いと言えばそうだが、一寸興醒めである。紅葉も無くなり単調な道を下ると、いわかがみ平に着く。シャトルバスに乗り換え栗駒高原Pへ下山。
      レンタカーに分乗して、岩手の雫石へ向う。高速道路を降りたあと、コンビニを探して明日の朝食を仕入れる。『岩手山』の裾野をぐるりと1/4周するような感じで国民宿舎“網張温泉”に入る。温泉に入って今日の疲れを癒し、バイキングの夕食で乾杯。明日が早いので、早々に就寝する。
      〔10月8日〕いよいよ『岩手山』に登る日だ。天気は良し。未だ暗い5時に宿舎を出発する。30分程で「馬返しキャンプ場登山口」に着く。駐車場には既に多くの車が停まっている。何パーティーかは準備をしている。私達も班ごとに出発準備を整える。
      今日は「山頂を目指す」A班(L荒木以下4名),川辺さんの膝=標高差1200mに合せて「八合目から不動平を目処」のB班(L米津以下4名),そして石田(千)の足の状況によっては「途中でも引き返す」のC班(L石田(忠)以下2名)、の3班編成で登る。「無線機でお互いの連絡を取り合うこと」、そして各班とも「最終下山を、5時を目処にすること」を確認して出発
      登山口からすぐに大きな自然の森の中に入る。樹木は背が高く如何にも山深い所に入った感じがする。樹林の中の一合目にベンチがあり、早速に朝食を摂る。コンビニ弁当だが、美味い。各班とも似たような所で朝食を摂っている。
      裾野を広く広げた山なので、初めは傾斜が緩く、淡々と樹林の中のルートを辿る。朝の空気は気持ち良い。やや傾斜が急になり出した所に二合五勺の標識、ここで新道と旧道に分れる。ガイドでは「旧道がお薦め」とあり、各班とも登りは旧道、そして降りは新道を行くことにした。
      段々樹林の背が低くなり、三合目を過ぎると岩場の登りになる。その昔、溶岩流が流れたあとのように、岩と砂礫の斜面が広がっている。その中をつづれ折りをしながら登る。背後の景色が綺麗に見える。傾斜はきつくなり、崩壊が始まって今にも崩れそうな大きな岩(“大蔵石”と言うようだ)を回り込むと、六合目だ。
      その上少しでガレキ帯が終わり低い灌木帯の登りに入る。灌木帯の登りをこなすと、展望台のような七合目に出た。ここで樹林帯を登って来る新道と一緒になる。
      七合目からは傾斜は緩い道を辿るとあっけない程すぐに八合目の小屋の前に出た。非難小屋と聞いていたが立派な小屋だ。綺麗なトイレや休憩ベンチが多く設置されていて、多くの登山者が休んでいる。目の前に山頂の火口壁が大きく見え、もう手の届く所まで来ている感じで、私達もゆっくりする。ベランダで小屋の人が「今日で店じまい。Tシャツや登頂日付入り手拭を買うとコーヒー無料サービス」と言っている。早速「岩手山」Tシャツを買ってコーヒーをよばれる。私達も労山の支援Tシャツを着ているので、話しが弾んだ。
      草と砂礫の中の道を進むと九合目の不動平だ。ここからは鬼ヶ城コースを分岐する。鬼ヶ城という名前のとおり、急な岩稜の尾根が伸びている。ここにも非難小屋があるが、私達はそのまま最後の登りにかかる。ザクザクと砂礫の斜面を登るが、そう大したことは無く“お鉢”と呼ばれる火口壁の上に出た。ここからの眺望は抜群だ。『鳥海山』が大きく裾をひいて綺麗に見える。
      この“お鉢”を右手に火口跡を見ながら右回りに1/3周すると山頂だ。暑いので脱いでいた「岩手山の支援Tシャツ」を、慌てて着こんで山頂に立った。バンザーイ!だ。A班のメンバーと握手、握手で喜び合う。360度の展望を満喫しながら昼食を摂る。最高の天気に恵まれた感じで昼も美味しい。
      昼食後は、“お鉢巡り”をそのまま右回りで続ける。火口跡の真ん中に綺麗な三角垂をしたピークがある。東へ回り込んだ付近は薄いがガスが出ているところがあり、活火山であるのを実感する。一周して九合目への下山口に着く。ここで山頂の眺めを十分に堪能した後、下山にかかる。野球部か高校生のグループが走りながら下っていく。私達は『岩手山』の景色をそれこそ堪能しながら、そして登頂の余韻に浸りながらゆったりと降る。本当に良い山だ。

      八合目の小屋で休憩し、山頂の雄大な姿を目に焼き付けて下山にかかる。七合目からは予定どおり「新道」を行く。こちらは樹林帯の中に付けられているが、ルートは岩稜が出て中々大変だ。無線ではB班が少し先行しているようだ。
      五合目でB班が休憩している所に合流。一緒に休憩する。休憩後はA班が先行、C班が続き、B班がラストで降る。足も疲れているので、各班のペースで着実に降る。四合目を過ぎると岩稜の降りがやや少なくなってくる。C班は、(千)の膝を考え○合目の標識毎に小休止を入れながら降るが、膝は大丈夫そうで順調に下る。無線連絡では、B班も疲れがでて来ている感じだが、順調に下っている様子。
      二・五合目で新旧登山道が一緒になり、岩も減って大分と歩きやすくなる。朝登った樹林の中の道を辿ると、休憩所のある登山口に出た。A班のメンバーに握手で迎えられる。湧き出している岩手の山の水で顔尾を洗い、今日の山の余韻を楽しむ。休憩所の前の広場からは『岩手山』が大きく見える。そして丁度真ん中付近に、朝登ったガレキ帯が広がっているのが見える。大きくて良い山です。
      約30分で宿舎に帰りつき、温泉で汗を流して、改めて最高の天気の中『岩手山』を登った喜びに浸る。夕食は特別料理予定をとって、祝杯を挙げた。みんな、予定の二つの山をクリアして、達成感一杯で大いに話しが弾み、楽しい宴でした。夜は、男性の部屋で「反省会」でしたが、お酒が足らずに早仕舞でした。
      〔10月9日〕 この日は、東日本大震災の被害と復興状況を見学して帰る計画だが、折角岩手に来ているのでここから近い『八幡平』に寄って行くことにした。カーナビでは案外近い感じで予定を繰りこんだが、八幡平市から県道と山頂への観光道のアスピーテラインを行くと、結構遠かった。それでも山頂駐車場までの山は紅葉に染まり綺麗でした。
      時間が結構掛かったので、少し焦り気味に東北自動車道に出て、一路石巻を目指す。途中のSAで昼食を摂り、古川ICから県道で石巻を目指すが時間がかかって中々着かない。飛行機に乗り遅れると大変と言うことで、石巻へは断念し、東松島市から仙台空港に向かう。被災地の見学は車の車窓からとなる。土地勘の無い場所では、余程余裕を持って計画しないといけないことを反省。それにしても「東北は広い」を実感する。被災地見学が中途半端になったが、何とか無事にゴールの仙台空港に到着。
      帰りもボンバル社のプロペラ機で帰路に着き、無事伊丹に帰着。解散した。
      〔振返り〕今回は天候に恵まれ、予定の二つの山を達成した。紅葉の『栗駒山』も時期が丁度合って、東北の山の紅葉を満喫できた。『岩手山』も登高標高差1400mということで、メンバーは構えて取組んだが、各班とも余裕を持って各々の目標をクリアできた。登り応えのある山と言われる『岩手山』を十分に楽しめたと思います。これも夏山合宿をクリアしてきた大きな成果と言えるのではないでしょうか。
      最後の目的だった「東日本大震災の被害と復興状況を見学する」は、車の車窓からの見学という中途半端な結果に終わったのは、残念であり反省事項です。もう少しきめ細かい計画が必要だったと反省します。
      東北と言う遠方の山で、交通手段の手当や宿、そして予算などは上手く行けたと考えます。また、メンバーでの役割分担もスムーズに行き、皆が協力して山行するチームワークも万全でした。これらのノウハウが、今後の遠方への登山計画に参考になると考えます。
      参加者の皆さん、ご苦労さまでした。楽しい山行をありがとうございました。

    以上

     

    記/石田(忠)



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