冬の屋久島を楽しむ     
    永田岳(1,886m)  
 雪山テント泊
【日 時】   2014年1月11日〜1月15日
【天 候】  1月11日(土)晴れのち曇り
 1月12日(日)曇りのち霧雨  鹿の沢小屋 気温 −2℃
 1月13日(月)曇り時々晴れ 永田岳山頂 気温  −5℃
 1月14日(火)曇り時々晴れ
  1月15日(水)晴れのち曇りしぐれ風強し
【参加者】  男性い名  女性2名
 

 

【コース】 1月11日(土) 大阪空港(JAC2453便AM10:25発)〜屋久島空港(PM12:00)〜タク シー移動
        花山歩道登山口着(13:40〜14:13)〜テント場(850m付近16:00着)    
1月12日(日 )5:00起床〜6:30発〜1,220m(8:40)〜1,275m(9:00)〜大竜杉(9:15)〜花山広場          (9:45)〜1,410m(11:50)〜1,460m(12:15)〜1,535m(12:55)〜鹿の沢小屋(15:34 着)
1月13日  鹿の沢小屋(7:55発)〜永田岳(1,886m10:15着〜10:30発)鹿の沢小(12:15〜12:50 
       発)〜1,600m(13:50)〜大岩展望(14:45)〜花山広場営幕(16:45着)
1月14日  花山広場(7:10発)〜焼峰(9:27)〜850m付近(9:50〜10:05)〜花山歩道登山口
       (11:35〜11:50)〜平内海中温泉荘(12:05着)
1月15日 平内海中温泉荘(8:30発)〜西開墾バス亭(8:58発〜屋久島空港10:15着)〜屋久島       空港 (JAC245011:40発〜12:50着)解散13:05
 
1月11日(土)行動記録
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搭乗手続きを済ませ、手荷物検査の時、チャイムが鳴る?どうして荒木の履いている冬靴が反応したらしい。靴を脱いでもう一度機械を通すOKや れやれ。ぶうぶう言いながら靴を履く。私たちの乗るプロペラ機が止まっている。3段程のタラップを上がり飛行機に乗り込む。ツアーの方たちと 一緒だったので満席。私の隣の席がツアーの添乗員さん。添乗員さんが窓際に座る事が滅多にないそうで、楽しそうに外を眺めて、いろいろと仕事 の話を聞くことが出来た。お天気に恵まれ雪を被った石鎚山や、足摺岬、日南海岸、種子島等を眼下に見ることが出来た。重い荷物を受け取り、 ザックのビニールを外し棄てて行こうとしたら、タクシーの運転手さんに、持って行った方が
良いですよと忠告され、3人ともザックの中に入れる。空港で頼んでおいたガスを受け取り出発。やはり南国。菜の花、ブーゲンビリヤ、野ボタ ン、小ぶりのハイビスカス、背丈の伸びた真っ赤な葉のポインセチア等、季節がわからなくなる。運転手さんの案内で登山口まで観光。真っ青な 海、岩場の海岸線、タンカン畑、石田さんが、魚釣りをしたそうだった。
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 大川の滝の表示から右の狭い林道に入る。悪路が続く今日は伐採の作業が休みなので助かるが、トラックが来れば離合の場所まで長い距離をバッ クしなければいけない大変な林道。どこのタクシーも花山歩道は行かない。安房タクシーだけが行ってくれるとの事。屋久島空港から13,000 円と少し割高かなとも思ったが、歩けば1時間30分程重いザックを担ぐ事を思えばもっと支払ってもいいかなと思うが、きっちり13,000円 を支払う。やはり関西人?登山口でテントを設営の予定だったが、少しでも先に進めていれば、明日が楽になるとの協議の結果少しでも先に行くこ とにする。気合を入れて、重いザックを背負いゆっくり進む。一歩一歩慎重に行く。少しの勾配でも喘ぎながら足を運んで行くが、なかなかペース が上がらない。水場を求めて歩く。一か所在ったが、汲む気にならず通過。アップダウンを繰り返す。岩場のトラバース、木の根を掴んでの急登。 腰や肩が悲鳴を上げている。先頭を澄子さんに交代してもらい休憩を摂りながらテント場を探す。登山道でテントを張れる平らな場所が見つかっ た。やった!ザックを投げ捨てるようにしておろし、慌ててラジオを探し気象通報を聞くが、天気図は書けなかった。
その間澄子さんと、石田さんでテントを設営。テントに荷物を引きずり込んで、夕食の準備をしている間に、水場が有るか二人で偵察に行っても らったが水が無い。手持ちの水で食事の用意。キムチ鍋、薄味にしてあまり水を使わないように野菜からの水分を利用する。意外と美味しかった。 担ぎ揚げた
ビールで乾杯。シメにラーメン。キムチ鍋材料白菜四分の一、エノキ1袋
ニラ1把、豚バラ肉600g、鍋キューブ3個、ラーメン乾麺4束240g
明日の予定を確認し就寝。
1月12日(日)行動記録
5:00起床。ガスを点けて朝食の用意。昨日の残りに乾麺3束を入れ綺麗に胃の中に入れ込む。ヘットランプを付け出発。歩き始めはゆっくりし たペースで進んで行くが、急登が続く。木の根、岩稜帯、バラエティーに富んでいて楽しいコースだろうが、ザックの重さが身体にのしかかる。今 日も腰も肩も背中も悲鳴を上げている。腰痛を防ぐベルトをしているが・・・
 1,200m付近から雪がちらほら見えて来た。巨木も増えてきて焼峰を過ぎ大竜杉、花山広場に到着。此処で水の補給。お湯を沸かし、早いが 昼食。
暖かいものを頂き、少し元気が出て来た。でもまだまだ先は長い。霧雨が降って来たので上着の雨具を付けて出発1,400m付近には、雪が積 もっていた。
すべての樹木が巨木化して、枝が巨木化して幹の様になっている。        
でも名もなき巨木が沢山あった。触って元気を頂くが、パワーが出ない。大きな花崗岩の岩が出てきて、本来眺めがいいのだろうが、ガスで展望が 効かない。奈落の底にでも落ちそうな急勾配を行き斜面を右に左にトラバースを、
始める。もっとアイゼンを谷足にと注意を受けながら雪の上を鹿の足跡を頼りに進んで行くが、何度アップダウンを繰り返したのだろう。
石田さんと、澄子さんに偵察に行ってもらいコースを探してもらう。いやになるくらい長い道のりで小屋までまだまだ遠い。時間的には小屋が見え ても良い頃でしたがなかなか現れず。限界寸前でした。沢を渡り、少し登り、
ザイルの付いた沢を渡りようやく目の前に鹿の沢小屋が現れたときには、天にも昇るようでとてもうれしかったです。小屋の引き戸を開けるが、凍 てていて開けにくい、力一杯引っ張ると戸が開き中に入る。石の小屋で作られていて、中は広々としていた。ザックを投げ下ろし、小屋の2階にテ ント設営。ザックの底からコッフェルを取り出し水汲みに綺麗な沢で、良かったです。雪の水分が多くて体を持ち上げる時に太ももに手を当てて、 体を持ち上げていたものでズボンも濡れて、オーバーミトンをしていたが、手袋も濡れ、テントの中でガスを点け濡れた物を乾かし、食事の用意。 個食なので何を食べようかと思いカップ麺の蕎麦にお湯を入れ3分待っていただきました。なかなかおいしかったです。(カップから麺を外しビ ニール袋に入れて持って来たものです)明日永田岳に行かなくて、荒木小屋で待機すると言ってたのですが、縦走の予定でしたので、仕方なく着い て行くことになる。
1月13日(月)行動/記録
いきなりの急登。今日もザックが重たい。食料が減っているのとアイゼンを付けているので、軽くなってもいいはずなのにずっしりと肩にのしかか る。
澄子さん先頭。足取りも軽やかに進んで行かれるが、私は、足取りも重く、岩場でもたつく。ピッケルを横に縦に突きながら行くが、ペースが上が らない。とにかく恐怖が先に立ち体が思うように動かないし足も上がらない。
一難去ってまた一難。何度恐怖を味わったのだろう。ようやく緩やかになり山頂近くまで辿り着くことが出来たがガスが掛かっていて何も見えな い。
ちょっと確認してくると、石田さんと、澄子さんが偵察に向かわれた。
荒木岩陰に隠れ風を避け待っている。ガスが晴れずに二人の声は聞こえるが、姿が見えず緊張が走る。10分程で戻ってこられたが、下山口らしい が、急勾配で、かなりのトラバースが有りリスクが高い。どうするか意見を求められたが、即答で引き返すとの判断したものの、急勾配を下ること になる。必死で登って来た道を果たして無事に下山できるかとても不安で、不安で泣きそうになるがとにかく下りなければ帰れない。急に青空が広 がりローソク岩と永田岳がはっきり見えた。頑張れと声援を送ってもらっているようだった。  後ろ向きで慎重に足を置いて行くが、なかなか岩 が見えない。澄子さんに足を置く場所を教えてもらってやっとの思いで、小屋まで無事に下りてこられた。体制を整えて昨日のテント場まで戻ると の計画。急登、トラバース、急勾配、一筋縄ではいかない奥深い山だ。どうして冬なんか計画したのだろう?飛行機代が一番安かったから?理由は それだけで無謀な計画をしたものだ。などと考えながら歩いていると、バランスを崩しよろけてしまった。
一度休憩の為ザックを下すと今度背負う時は、気合を入れて担がなければ、
ザックに振り回されてしまう。常に軽量化を考えているようだが、何にも軽量化になってないことに気付かされた。昨日のテン場までは無理だか ら、花山広場でテントを張るので、頑張って歩こうと澄子さんから提案が有り。少し元気が出た。アイゼンを外し足取りは軽くなったが、道のりは ずいぶん遠かった。やっとの思いで花山広場に到着。テント設営。沢で水を汲み食事の用意。何を食べようかな?残り少ない食料の中からカップう どん、澄子さんに貰った生姜湯、明日は美味しいものが食べられる。電波の入るところで千津子さんと連絡が取れ、13日民宿のキャンセルを頼み 14日行くことを告げてもらった。愛子岳は行けないが、千津子さんを介して宿に連絡が取れたので良かった。雪山は何が起こるかわからないので 予備日を設けていればよかった。反省です。
1月14日(火)行動/記録
今日は最終日。無事に下りることに専念。ザックは重いが、足取り軽くなんとなく心も軽い。6時間かけて下りるつもりで事故の無いようにゆっく り歩く。木の根の階段、岩場のトラバース、後ろ向きで降りる、急勾配の登山道、
良く重たいザックを担いで登ったものだと感心する。すんなりと下れない。
11日にテントを設営した場所まで下りて来た。携帯が繋がるようになったので、12時半に迎えに来てもらうようにタクシーの手配をする。これ で林道を歩かなくて良くなった。後2時間程頑張ったら登山口まで下りられる。
残り少なくなった飲料水を飲み最後の力を振り絞り、あと少し、あと少しと
自分を叱咤激励。澄子さんが白い屋根が見えると叫んだ。タクシーが見えた。逸る気持ちを抑えて最後まで慎重に下る。花山歩道登山口にやっと到 着。澄子さん、石田さんと握手を交わす。やったー! やったー!長い苦しい登山も終わった。運転手さん差し入れのコーヒーを頂き車に乗り込 む。ほっとして眠くなる。サトイモの葉っぱが至る所にあり、食わずいもと言って食べられない灰汁の強いものらしい。鹿、さる、狸に農作物を荒 らされる被害が多いとの事。話を聞いていると平内海中温泉荘に到着。
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ちょうど干潮の時で、温泉に入れると事で、バスタオルを巻いて入る。海を眺めながら潮風を肌で感じながら入れるのは最高に気持ちがいい。パイ プからお湯が出ているが、お風呂の中下からもお湯がわき出ていた。お風呂から上がり山の道具を洗い、テントを干し、ザックの中の物を全部干し 広いベランダで海を眺めながら
ビールで、乾杯、宿泊客は私達3人で、ゆっくりさせて貰いました。
珍しい貝料理や地元の野菜料理、おじさん(白身魚)のから揚げ、お造り等、民宿の料理もとても美味しく頂きました。
 
             平内海中温泉の満潮前
1月15日(水) 行動/記録
7:30朝食。8:30出発。民宿からバス停まで上り坂を歩く。ザックが重いので喘ぎながら歩く。美味しそうなタンカンが、沢山実っている。 10分程歩くと西開墾バス停に到着。
   
8:58のバスに乗る。運転手さんに、車窓からの見える所の観光案内をしてもらう。車道の両脇には、花が咲き乱れ、春を感じられる。島を半周 しかしていないが、季節が目まぐるしく変わって行く。平内海中温泉は、南に位置するが屋久島空港は北東に位置し。強風が吹き荒れていた。飛行 機は飛ぶのだろうか少し心配に成って来た。10:15空港到着。鹿児島行きの第一便が欠航していた。大阪行は、飛ぶようだ。定刻より10分程 早く出発。雲は多いが、順調に飛んで大阪に予定より早く到着。ザックを受け取り解散。お疲れ様でした。航空券の一番安い1月に計画しました が、不安ばかりで、屋久島の冬の山を経験されている澄子さんの「大丈夫行ける」との言葉を信じ決心しましたが、自分なりにトレーニングをした つもりでしたが、甘かったです。重いザックを担いで急登、急勾配、岩場、トラバース、木の根の登山道、どれも大変な経験でした。歩くだけが精 いっぱいで景色を楽しむ余裕もありませんでした。でも私にとってかけがえのない山行になりました。初めての冬山で赤岳に登れた時の感動。それ と同じ感動を体験できました
 

 



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