【報告と感想】 SL/石田
千津子
行ってきました。雪の中の雲取小屋は非常に美しく、そして小屋ﾗｲﾌはこれまた楽しく、行く人はﾗｯｾﾙも楽しみと、とても楽しい山行でした。来年は是非右京の例会で行ってはどうかと思い、報告させていただきました。
冬山合宿に行かなくても良くなり予定が空いた(忠)が、｢“冬の雲取小屋”に行こうか」と言い出し、Mさんに無理を言って同行をお願いし、合宿に行っていない運営委員に連絡して計画を進めました。（例会案内が間に合わず、仕方なく個人山行です）
私は、去年の１１月頃から痛み出した膝がなかなか良くならず、ｲﾗｲﾗしていたところを誘われて、「行く、行く」と飛びつくことはできませんでした。冬靴を履いて、ﾜｶﾝをつけて雪の上を歩けるか不安でした。でも距離も短いことだし、ゆっくり歩けば何とかなるでしょう。怖がりのくせに横着な性格。どうしょうもないです。
今回は、個人山行ということで、前会員のGさん(会員のGさんの奥さん)を誘った。気の置けない仲間が集まって、M号と(忠)号の２台で出発です。(忠)号は今夜の夕食の｢鴨鍋｣の鴨を仕入れに中央市場へ。その後Aさんを迎えに七条京阪へ。
市原の「ﾛｰｿﾝ」で合流。貴船の料亭街を通過。さすがに観光客も少なくなっていました。ここを通ると思い出します、３年前、ちょうど同じ時期、東日本大震災のその日、その時、貴船を通り過ぎ林道を三の谷に向かう途中、ﾗｼﾞｵから大津波のﾆｭｰｽが流れてきました。その時はそんなに大ごとになるとは知らず、山に入ってしまいました。
今回は芹生峠でﾊﾌﾟﾆﾝｸﾞです。先を走るM号がﾂﾙっと滑ったではありませんか。ﾀｲﾔはｽﾀｯﾄﾚｽでも、滑りました。さすがは用意の良いことでﾁｪｰﾝの登場です。少し時間はかかりましたがこれも経験のうちです。
無事芹生峠を越えて芹生の集落へ入る手前の橋のたもとで車を降りて、そこから歩きます。前日の寒波で、雪が降ったらしく木々に積もった雪がまぶしかった。足元はふくらはぎ近くまで雪があって、今年は諦めていた雪が踏めてうれしかった。共同装備も何も持たず軽いｻﾞｯｸで歩かせてもらいました。
三の谷の出合い手前でﾜｶﾝをつけ沢伝いの道をゆっくり進みます。沢の流れと雪のｺﾝﾄﾗｽﾄが好きです。小屋までの距離はそんなに長くないのでゆっくり歩いても１時間はかからないと思います。それでいてしっかり雪を楽しめます。「もうそろそろ小屋が」と、思った頃三角屋根が見えました。小屋主のMさんがカギを開け、いよいよ大人の小屋遊びが始まります。
まずは昼ご飯です。ﾒﾆｭｰは“ﾊﾝﾊﾞｰｸﾞ”と“ｽﾊﾟｹﾞｯﾃｨ”です。水が冷たいのでなかなか湧きません。やっと出来たらあっという間に空っぽです。人心地がついて堀炬燵に火が入ります。小屋に行ったことのある人はご存知でしょう。あったかいですよね。足を入れてくつろぎます。とりとめのない話で楽しみます。｢雲取山｣に登ろうと言っていた人も、｢明日行くわ！｣と出て行きません。私も今思い出したことが一つあります。おこたの守りばかりして「雪ﾀﾞﾙﾏ」を作るのを忘れた。それほど暖かいんです。
Mさんはひたすら「まきｽﾄｰﾌﾞ」に薪をくべています。おかげさまで部屋も暖かいし、言うことなしです。そろそろ夕食の準備にかかります。今夜は「鴨鍋」です。土鍋が出てきました。家庭では普通ですが山小屋ではなかなかお目にかかれません。土鍋で食べる「鴨鍋」、特別においしかった。〆はうどん。出汁がしみておいしかった。山小屋遊びの楽しみはやっぱりみんなで食べる食事でしょう。
朝食は無水鍋で炊いた白ごはんに味噌汁。残ったご飯はおにぎりにして行動食。TさんとGさんは雲取山へ。Gさんは久しぶりの雪の感触を楽しみに。後で(忠)さんが追いかけていきました。残った人はﾃｨﾀｲﾑ。私はｵｶﾘﾅをAさんに聞いてもらいました。ほっこりした時間です。
まもなくして全員が小屋に揃ったので掃除をして、後始末を終え、小屋に別れを告げました。帰りは小屋からﾜｶﾝを履いて芹生の集落までそのまま行きました。本当に楽しい雪遊びでした。
雪山はいや！ と思っている人、こんな雪山もあるんですよ。一緒に楽しみましょう。雲取小屋のおかげで、楽しい思いをさせていただきました。これからもよろしくお願いします。