≪『籾糠山』山頂にて≫ ≪“天生湿原”を行く≫
【報告と感想】 SL/石田
千津子
初めて『籾糠山』を、訪れるきっかけは、明峯労山の会員の方に教えていただいて今回で4回目。6月にならないと林道のゲートが開かず、花の様子を気にしながら、6月になるのを待っているのです。今年も急に行きたくなって例会案内を出して行ってきました。急な案内だったので参加者も少なかったです。
籾糠山のある「天生(アモウ)湿原」は岐阜県飛騨市にあります。天生峠が登山口で駐車場になっています。私たちが着いたのは夕方6時ころだったので、車は一台もありませんでした。
上の段の駐車場には小屋があって、「誰でも自由に使って下さい」と書かれてあったので、有り難く使わせてもらうことにしました。夕食は、夏の旬の魚「ハモ」の鍋です。雨の予報があったのですが、星が出ていたのでたぶん大丈夫だと信じて床に就きました。
≪巨木に「わぉー!」≫ ≪気持の良い樹林帯を行く≫ ≪“木平湿原”で一休み≫
朝は早くから車が上がってきていたので、私たちも準備を急ぎました。登山口で一人500円の協力金を払って登山開始。
とにかく花が多い山です。花びらがレースのスカートのような“サンカヨウ”、きりりと背筋を伸ばしたような“キヌガサソウ”、鶴が羽を開いたような葉の“マイヅルソウ”、大きな葉っぱにしっかり守られた“ツバメオモト”、白と緑のコントラストがとてもきれいです。そして木では、“ムラサキヤシオ”があちこちで綺麗な花を咲かせています。
今年は“水芭蕉”はほとんど終わっていました。花は年によって咲く時期が変わるんですね。今度は“水芭蕉”の群生が見たいです。
花を見ながらあっという間に山頂へ。山頂は狭いのですが展望は良く、遠くは北アルプスも望めます。下りは、木平湿原へのコースをとります。この湿原の木道の上で、コーヒータイムの一休み。風も気持ち良くゆっくり高層湿原の景色を楽しみました。
ここからの下りは、大きなブナの木やダケカンバの林を見ながら下ります。ここも大好きなコースです。天生湿原に下って今度は左回りで湿原を楽しみました。
≪“ミズバショウ”は終わっていました≫ ≪“ツバメオモト”≫ ≪“サンカヨウ”≫
≪“キヌガサソウ”≫ ≪“ムラサキヤシオ”≫
天生峠の駐車場に帰りつくと、広い駐車場には車が一杯です。梅雨空だと言うのに、6月の天生峠への道が開通するのを待っている人が多いのですね。
そしてこの山は、非常に自然保護に力を入れて、この美しい貴重な高層湿原やブナ林を護っておられます。何処の山も問題になっているトイレも、登山コース上の何ヶ所かに簡易テントの“トイレブース”が設置されています。この中には、トイレをする台と携帯トイレが用意されていて、ここでします。トイレをした人は、携帯トイレを用意の袋に入れて下山し、登山口近くの回収Boxに廃棄します。そして携帯トイレ代を入れるシステムです。私と米津さんも、辻井さんに報告しなければならないので、テスト的に使用して見ました。一寸面倒な面はありますが、安心してトイレ出来ますので良いシステムだと思いました。
≪自然保護のために“トイレブース”あり≫ ≪“トイレブース”の中はこのように≫
帰りは白川郷の中にある温泉で汗を流して、お蕎麦を食べて帰路に付きました。今年も“天生湿原と籾糠山”を楽しめて幸せな気分です。今度は秋に来てみようかな。
帰って「登山時報」を見ていると、この“天生湿原と籾糠山”が紹介されていましたので、紹介しておきます。