【報告】 報告/石田
忠久
“知っていて安心!慌てず対応”を合言葉に、今年も連盟救助隊主催の『無雪期搬出訓練』が、京田辺市の中央公民館を会場に開催されました。この搬出訓練は、近年は私たちご日常行っているハイキングや登山の時に,怪我人が出た場合の「救急法」と「セルフレスキュー技術」の講習と実習が行われています。
これらは、私たち登山を楽しむ者にとって、必ず身につけておくべき知識であり、技術ですので、右京労山では会の「訓練例会」として取組み、多くの会員の参加を呼掛けています。ことしは、9名の参加でした。
訓練は午前の「救急訓練」と、午後の「搬出訓練」の2部構成ですが、各会が持ち回りで講師役を担当して、いろいろな技術を提案し訓練を行います。
午前中の「救急訓練」は、“伏見山の会”が担当で、今年は眼先を変えて、救急法の前に「怪我を起こさないための身体作りをしよう」という提案で進められました。
まず「登山事故の状況分析」がデータで説明され、「新特別基金」に申請された最も多い怪我・事故の原因は“滑落・転倒”であることが報告されました。そして、“滑落・転倒”は中高年登山者が非常に多く起こしており、これはやはり『筋力・体力の不足』、『バランスの衰え』が大きな要素と考えられます。
ここから、『筋力・体力をつけよう』ということで、連盟の女性委員会が力を入れて提唱している“山筋ゴーゴー体操”を取組もうとの提案です。この日は、実際に何種類かの体操が紹介され、皆でやりました。右京では、“山筋ゴーゴー体操”の冊子を購入して会員皆に配布しています。この機会に、会員の皆さんが体操に取組んで「事故を起こさない体作り」をすすめられては如何でしょうか。
午後は、“田辺山友会”の担当で「搬出訓練」が行われました。例年は「背負い搬出法」や「担架搬出法」のいろいろな方法が提案され、実際に行ってきました。
今年は、こちらも少し観点を変えて、「斜面の下に転落した怪我人を、安全に背負い法で引き上げる」というテーマでの訓練でした。現実的にも、転落した怪我人を安全な場所まで引き上げることは、最初にやらなければならないことで、非常に参考になりました。
先ず、常に持参しているハイキングザイルや細引きを使って(確保して)、救出メンバー(背負い者とサポート人)を怪我人の場所まで降ろす。次に怪我人を“背負い法”で背負った救出者を、上のメンバーがハイキングザイルで引き上げる。その際、オートブロックシステム(クレイムハイスト・ノット)で、二次転落・滑落を防ぐ。このシステムの説明があり、練習しました。ただ、本来は外の公園の斜面でやる予定が雨のため、中で行いましたので分かりにくかった面があり、また十分な反復練習ができませんでした。
いずれにしても、これらのシステムは実際に何回か練習しておかないと中々難しいと思います。それと、エイト結びやインクノットなどのロープワークや、クレイムハイストや半マストなどの技術等々を十分に身につけておくことも重要と感じました。
ここで会員の皆さんに提案です。これから私たちは、“右京の山の集い”で何回か練習を重ねて、マスターして行きましょう。そして、多くの会員がセルフレスキュー技術を共有して、もし万が一の時は“慌てず、速やか”に仲間を助けられる会になりましょう。
“知っていて安心!慌てず対応”で行きましょう。
以上