捜索訓練   『醍醐・高塚山』
連盟救助隊
【日 時】  11月28日(土) 。
【天 候】  晴れ時々曇り
【参加者】   11労山22名
 

 @捜索訓練;「“2名パーティーの登山者が高塚山西斜面を下山中に行方不明になった”として

不明登山者の捜索を行うA搬出訓練;「発見した登山者(怪我人)を登山口迄搬出する」

【コース】 ・醍醐寺前〔ミーティング後出発〕==朱雀天皇陵前登 山口(9;20)=・醍醐寺前〔ミーティング後出発〕==朱雀天皇陵前登山口(9;20)=

昨年から実施されている京都府連盟の「救助隊員の捜索・搬出訓練」に参加してきまし た。いろいろ勉強になりました。実際に捜索する場合や遭難して捜索される側になった場合などに、非常に参考になることが多く、感じたことを報 告します。
まず、訓練日の前日に、救助(捜索)隊員宛て『“遭難事故発生!”捜索隊員は連盟事務所に、午後7時30分に集合せよ』のメールが入る。連盟 事務所に集合して、「高妻山に登山した2名が帰らない。明日捜索に入る」とされ、遭難者の状況と捜索活動の体制が発表される。遭難者の情報は 「2名パーティーで高妻山山頂から醍醐方面に下山途中で行方不明となる」。捜索活動は「1班〜4班体制とし、各班が4ヶ所の登山ルートを担 当して捜索を行いながら山頂に向かう。登りで発見できなければ山頂で一旦集結して、醍醐方面の南西斜面を捜索しながら下る。発見次第各班合同 で怪我人を搬出する」。合せて「参加者個人の持ち物、装備」、及び「各班で持参する装備」を打ち合せて散会しました。
11/22日 醍醐寺の門前に集合、11労山22名が集まった。内2名は「遭難者役」で既に入山済。2名が現地本部となり、駐車場で無線連 絡、指示を出す。残り18名が4班に分かれて担当ルートの入山口に向かう。私は西村さんリーダーの2班で、朱雀天皇陵横の入山口からスター トしました。
余り下の方は観光客も多いので大きな声で呼びかけるのは遠慮して、少し上がった地点から手分けして「オ〜イ! オ〜イ」「青山さ〜ん」と呼び かけ、捜索をしながら登る。
途中220m付近で3班と合流、3班は登山道が無くなっていて藪漕ぎをしながらの登りで苦労したようだ。さらに進むと醍醐寺から進む1班の捜 索する声が聞こえ、1班ルート、2・3班ルートの合流点“Aポイント”に着いた。ここからは尾根も広くなるので、3班が幅広く展開して山頂 までを捜索する。山頂で4班を待ちながら行動食で腹ごしらえをしました。
10;20分に4班が合流、ここで簡単な打合せ。「醍醐寺に向かうルートを中心に、4班が横に展開して捜索しながら下山する」として下山に向 う。しかし、中々発見できない。「訓練やのに、そんなに発見しにくい奥深い所に隠れるか」と、ボヤキが出始める。
200m付近迄下った付近の南西方面に入る枝道を捜索すると、かなり下の方で「オーイ,オーイ」との遭難者らしき反応があった。この枝道を進 むと声の方向と離れて行く。声の方向へは道が無く谷筋を無理やり下って行く必要がある。本隊は「先程のメインの登山道をもう少し下って入る ルートがあるのではないか」と考え、メイン登山道まで引き返し待機。3-4名のグループでさらに先ほどの谷筋を下ると、遭難者を発見し た。(遭難者役の人達が、しびれを切らして捜索者の方に上がってきて、無事合流できた事情がある)
もとの登山道に全員が集結して、今日は捜索に時間がかかりすぎたため、予定の搬出訓練は行わず、全員で醍醐寺まで下山しました。
醍醐寺の駐車場で、救助隊事務局を中心にして、現地本部役、遭難者役、捜索活動者の全員が集まり、今回の捜索訓練の総括や反省、そして意見交 換を行いました。
最も大きな反省点として、救助隊事務局から「遭難者が中々見つけられなかったのは、捜索するのに遭難場所をあらかじめ想定して行ったからであ る。本番の捜索では変な限定条件を付けず、あらゆる場合を想定して捜索に当たる必要がある」と指摘され、やはり訓練という甘えがあったのかと 一同反省です。
皆さんから、色々反省点や意見、今後の改善点などが出されましたが、私が感じ、印象に残った点は以下の件です。
・「486mの低山」、「それも山頂から醍醐への下山路を中心とした南西の斜面という限られた範囲」、「天気も良好」という好条件に恵まれた 中でも、18名で捜索しても中々発見できないということから、遭難者の捜索が如何に難しいかを知らされました。これに高山や、雪に覆われる、 天気が悪い、等の条件が出てくればより捜索は困難になります。私たち登山者は常に遭難者になるリスクを考え、『道迷いは絶対にしてはならな い』,『単独行は危険が一杯』,『ビバーク装備を必ず持参』を肝に銘じるべきでしょう。
・遭難者役の話し「上の捜索者の声は良く聞こえるのに、精一杯の声で返しても上に通らなかった」・・・このことから山では「上からの声はとお るが、下からの声はとおりにくい」と考えられます。捜索者は大きな声で呼掛けると同時に、最新の注意で聞く必要があるようです。それと、声よ りもホイッスルの方か良く届くようですので、“ホイッスル必携”で行きましょう。
・捜索者が「オーイ!オーイ!」と呼掛け、遭難者も「オーイ!」で返していれば、別の捜索者の声か遭難者の反応か判断できない。明峰では捜索 側は「ヤンレー!」と呼掛け、遭難者も決まった掛け声で返すことを決めてあるそうです。これは、労山全体で“捜索者の呼掛け”と遭難した場合 の“反応する掛け声”、そして“ホイッスルの鳴らし方のルール”を取り決めて、会員一人ひとりまで徹底しておくと有効と思いました。
・もっと厳しい条件(特に雪や雨、ガスの中)になれば、捜索者がはぐれるリスクも出てくると思います。捜索者は全員か2名位に1台の無線機 を持って確認の安全を確保すると同時に、より分散して効率的に捜索することも必要なのかな、感じました。
以上

 
 

 



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