<個人山行報告> アンナプルナベースキャンプ トレッキング山行記録 |
普通 |
【日 時】 | 2017年3月28日(火)〜4月11日(火) |
【天 候】 | |
【参加者】 | 11名(M.7名 W.4名),ガイド4名,ポーター3名 |
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【コース】 | |
報告(コースタイム)と感想 記:Y・M 【3月28日】 関西空港集合(8:00~9:30)〜 ソウル空港(11:20~13:25)〜 ネパールカトマンズ空港 (17:50~18:30) 以後現地時間 〜市内ホテル(19:00)〜 就寝(22:00) ソウル空港でガイドKさん,参加者11名と合流した。7時間40分の航空機の長旅を終え, 市内のホテルに着く。簡単に自己紹介しながら夕食を摂った。 【3月29日】 起床(5:30)朝食(6:00)出発(7:00)〜カトマンズ空港(7:30~13:20) 小雨。バスにて19時にポカラに着く。ポカラまで航空機で行く予定だったが,待合室の電光 掲示板に「ポカラ天候不順のため運航遅延」と出たまま運航されない。待合室は待たされてい る客で混んでいた。 イライラして5時間待ったが運航しないので,ついに諦め,ガイドのパトナさんがマイクロバ スをチャーターしてくれポカラへ向かった。 【3月30日】 ポカラホテル(起床5:30朝食6:00出発7:00)〜ナヤプール<1025m> (8:40~9:15)曇り〜シャウレバザール(11:30~12:30)昼食〜ガンドルン<1950m>(16:10)小雨 ポカラの西23km程あるナヤプールの小さな町からトレッキングは始まる。トレッキングの 往路は,モディー川右岸の山の中腹にある村々を辿りながら上流に向かう。アンナプルナベース キャンプ(ABC)はモディー川源流部にあり,ここから37.8km北にある。 パトナさんの他若手ガイド3名,共同食と寝袋は3名のポーターが背負ってくれる。参加者の 中で僕が一番若かった。 初日は村の中のきれいに敷かれた石段の道をアップダウンしながら進む。時々学校帰りの元気 な子ども達に会った。空いている畑が多く,所々麦・キャベツが栽培してある。ガンドルンに は小ぎれいなロッジが何軒かあり,そのうちの一軒に泊まった。ナヤプールから約10kmの 行程である。 【3月31日】 ガンドルン(起床6:00朝食7:00出発8:00)18℃〜クムロン峠<2200m> (10:00)曇り22℃〜キュムロン川<1780m>昼食(11:50~12:50)〜チョムロン<2170m> (15:45)雨 今日は6km程の行程。いくつかの村を過ぎ山腹の道をクムロン峠まで登り,森の中を300 m程下る。途中速いグループ“ポーランド・エクスプレス”が抜かしていった。モディー川の 支流キュムロン川にかかる吊り板を渡る。川の横にあるロッジで昼食した。生水は飲めないの で,毎日ロッジで朝食後熱湯を1ℓ程ポットに入れていた。今日は飲み干し,カラになったの で店員の少女に少量もらった。そしたら20ルピー(1ルピー約1円)請求された。たまたま 側にニーマAさんがいて,「お金は要らない!」と言ってくれたので助かった。非常にちゃっ かりした少女だった。 石段を登り雨降る中チョムロンのロッジに着いた。トレッキングルートにあたるのでここにも 何軒かロッジがある。12万5千分の一の観光マップしかないので詳しいルートはわからなか ったが,石段のアップダウンが多く,距離は短いが,この先しんどそうな予感がしてきた。 各自部屋でポーターが運んでくれたシュラフなど個人装備を受け取る。一息ついた頃,毎日テ ィータイムがあり一同食堂に集まった。食事はロッジの従業員でなく,キッチンガイドがロッ ジの厨房を借りて作ってくれた。メニューは,ダルバータ,ダルスープ,ジャガイモや鶏の唐 揚げ,モモ(餃子),サラダ,ナンなど毎日変わったのが出た。 朝食は日本人好みのおかゆで食欲がなくても食べられた。ロッジのメニューを見るとダルバー タ250ルピー,ヌードル類200ルピー位だ。就寝は20時半頃であった。 【4月1日】 チョムロン(起床6:00朝食7:00出発8:00)晴れ〜シヌア(11:30)晴れ20℃〜バンブー<2340m> (13:10)晴れ ロッジの庭からシヌアまでの道が見える。深い谷底まで下り,急登の先にシヌアがある。地元 の方もよく知ったもので,牛の背に荷物を積んで運んでいた。シヌアで休んでからアップダウ ンを繰り返しモディー川沿いのバンブーまで行った。途中,高木の石楠花の花を見た。「ラン グラース」といいネパールの国の花だとフルテンジン君が教えてくれた。 バンブーに着いてしばらくして天候が急変し,激しい雷雨になりヒョウが降り出してきた。バ ンブーより奥地は地元の神聖な山域で,神をけがすとして肉類は原則として禁止されている。 マチャプチャレは神のおわします山として登れない。今日は5人相部屋で窮屈だった。翌日K ガイドから聞かされるまで知らなかったが,この夜いびきをかいて迷惑をかけたらしい。 【4月2日】 バンブー(起床6:00朝食7:00出発8:00)晴れ〜ドバン(9:20)晴れ 18℃〜ヒマラヤ(11:25~13:15)昼食〜デウラリ<3230m>(13:50)霧 今日はデウラリまで約7kmの行程である。モディー川まで下り深い峡谷の樹林帯の中を進む。 ドバンが畑のある最奥の村である。春の雪解けで水量が多いと予想していた。しかし,水量は 少なく20〜30cmの水深で徒渉できた。 ヒマラヤを過ぎると谷はU字谷で,左右の山腹は岩壁になってくる。右岸の岩壁から雪解けの 水が滝になり落ちていた。フルテンジン君と冗談を言うことが多く,しんどい登りも気が紛れた。日本人のいい人がいて,スマホで和服姿を見せてくれた。羨ましかった。 石段の道を登りデラウリに着く。ティータイム時にKガイドが私と同室でもよいという方を捜し てくれた。Sさんが,「私はいびきなど気にならないからいいよ。」と言ってくださったのが 嬉しかった。この方は大変な山好きで,海外へよく行かれ,国内は300名山まであと1つ。 帰国したら登りに行くとのことだったので,もう達成されたかもしれない。 【4月3日】 デウラリ(起床6:00朝食7:00出発8:00)晴れ8℃〜マチャプチャレBC<3700m> (11:20)晴れ12℃ 今日は,3kmにも満たない距離だ。しかし左沿はずっとマチャプチャレ(6997m)の岩壁で, その大きさには驚いた。徒渉し,揺れる吊り橋を慎重に渡る。デブリの上を歩き,残雪を踏ん でマチャプチャレBCに着いた。 休憩して後ろの高台に登った。目の前にマチャプチャレの尖った岩峰が見えた。雪の付いてい ない岩壁が山頂まで続いていた。見事な山容である。マチャプチャレから北東にアルペン的な 岩稜が続き,奥にひときわ高いアンナプルナV峰(7555m)が見えた。 【4月4日】 マチャプチャレBC(起床5:00朝食6:00出発7:00)晴れ0℃〜アンナプルナBC(4130m) (10:10)晴れ6℃ 残雪の緩やかな斜面のトレースを辿り,3km西のアンナプルナベース キャンプ(ABC)まで登る。周囲をアンナプルナ山群に囲まれ,別天地の様である。高台に登る と,アンナプルナサウス(7219m),アンナプルナT峰(8091m),カングサー・カン(7485m)と 続く稜線が素晴らしい。アンナプルナT峰の基部は4200mの高さなので山頂まで3900m ある。南は,パタル・ヒウンチェリ(6442m)からアンナプルナサウスへ続く稜線である。 13時頃から霧が湧いてきた。風が吹いてくるとさすがに寒かった。僕はネパール料理に飽きて きて,残すようになった。しかし,Iさんは相変わらず食欲旺盛だった。この差は大きい。常に 食欲があるか無いかがヒマラヤ登山の成否を左右すると思う。 【4月5日】 アンナプルナBC(起床5:40朝食7:00出発8:00)0℃〜ヒマラヤ(13:30~14:15)昼食〜ドバン (15:50)晴れ〜バンブー(17:00)曇り10℃ 少し早起きして高台に行った。アンナプルナT峰の上部が朝焼けに染まり美しかった。景観に 堪能し,早速下山し始める。復路は4月1日に泊まったチョムロンまで,来た道を引き返す。 デウラリの辺りだったと思うが対岸に道がありデブリが見えた。雪崩でやられた人がいたらし く通行止めである。下山途中中国系のグループとよくすれ違った。 【4月6日】 バンブー(起床6:00朝食7:00出発8:00)〜シヌア(10:10)晴れ〜チョムロン(12:20~13:15) 昼食〜ジヌーダンダ<1780m>(14:25)曇り シヌアと谷を隔てたチョムロンの登りが一番しんどかった。「シヌア」で「死ぬわ」という駄 洒落がつい口に出る。チョムロンからはジヌーダンダへ下った。ここには温泉がある。入浴料 100ルピー。僕は風邪気味なので行かず,ポーター達の横で話を聞いていた。 【4月7日】 ジヌーダンダ(起床6:00朝食7:00出発8:00)晴れ10℃〜モディー川(9:30)〜 ランドルン<1560m>(11:45)薄曇り23℃ ジヌーダンダから急坂をモディー川まで下り,ニューブリッジホテルで休憩する。登り返して 山の中腹に開けたランドルンに着く。4kmの行程だった。どの民家の壁もレンガか石を積み 重ねた作りだった。質素だが気品があった。ここにもロッジが何軒かあり,宿泊するロッジで 一休みしてから,散歩に出かけた。歩いていて,自分はこういう村に住みたいのだと感じた。 棚田が斜面の下の方まで続いていた。農作業は登り降りだけでも大変だろう。竹を編んで作った 丸い形の籠で鶏やひよこを飼っていて懐かしかった。(若い方には想像できないかも。)棚田 を下って行くと,一軒の農家があり老夫婦がおられた。庭先でおじゃましようかと躊躇してい ると,老人が,「まあ座れ。」と竹の椅子を持って来てくれた。手を見ると,指はゴツゴツし て太く,長年農作業されてきたことがわかる。電気は来ていないようで,小ヤギ3頭と鶏が放 し飼いされていた。 老人は始終笑顔で話された。僕は日本語なのでさっぱり会話にならない。小一時間程話したが, わかったことと言えば,対岸の工事中の道路をジヌーダンダまで延長することだけだった。し かし満ち足りた時間だった。老人を見ていると便利な生活を追い求めることが幸福なのか考え させられた。 ロッジの夕食にはいなり寿司が出た。ネパール料理はまずくはないが,日本食が一番美味しいと 思った。15時頃から雨になり,20時を過ぎて激しい雷雨になった。地元の子ども達が小雨の 降る中グルン族の踊りを披露してくれた。 【4月8日】 ランドウン(起床6:00朝食7:00出発8:00)晴れ〜トルカ(9:30)快晴〜ピタム・デウラリ昼食 (12:10~13:20)〜オーストラリアンキャンプ(14:50)晴れ 広いゆるやかな道を行く。林でヤギが多数放し飼いされ,草木の新芽を食べていた。トルカの 村を過ぎると最後の石段の登りになった。登り終えたピタム・デウラリで昼食を摂る。展望が良 くポカラの町が遠くに見えた。緩やかな尾根を進みオーストラリアンキャンプに着く。夕食時に,無事下山を祝ってニーマAさん手作りの大きなケーキが出た。真心がこもってい た。 ロッジの個室にシャワーがあり,10日ぶりに体を洗った。コカ・コーラ―を150ルピーで買 ったが,食堂の少女が「チップ,チップ。」と言ってきて参った。 【4月9日】 オーストラリアンキャンプ(起床6:00朝食7:00出発8:00)快晴〜カンデ(8:40~9:00)〜 ポカラ(10:30)晴れ25℃ しばらく下ってカンデに着いた。車の騒音と商店の賑やかさで,急に現実に引き戻された。 チャーターしてくれていたマイクロバスでポカラまで戻った。非常に蒸し暑かった。 ダルバータの昼食を摂り,ホテルに荷物を置いてから近くの繁華街へ出かけた。登山用具店が 何軒もあった。中には偽造品を売っている店もあるらしく,日本とは違う。上着と20ドルす るズボンを17ドルにまけてもらって買った。サイズがピッタリで喜んでいたのだが,関空に 着いた時には前のチャックが閉じなくなっていた。 【4月10日】 ポカラ(5:40~7:00)〜カトマンズ空港(17:00~20:30) マイクロバスでカトマンズへ向かったが,バスやトラックの故障車があり,渋滞になった。 大幅に遅れカトマンズ空港に着いた。 【4月11日】 ソウル空港 日本時間(5:55~9:35)〜関西空港(11:20) ソウル空港でパーティーは解散し,成田,中部空港へ行く方達と別れた。今回が初めてのトレ ッキングだった。ツアーなのであまり自慢できないが,アンナプルナ山群を見られ,ネパール の山村の文化に触れ良かった。しかし,山を見るだけで登らないのは今まで経験したことがな いので,もどかしい感じがした。 愛宕山の石段の下りでも膝が痛むが,連日の石段のアップダウンにもかかわらず,痛くならな かったのが不思議である。 渡航の手続きなど極力手間がかからない日本のツアー会社を利用したので高くついた。しかし, ポカラでガイド斡旋会社を利用すればもっと安く行けると思う。しかし,ガイドが日本語を話 せるか,申し込む者が英語をできることが望ましい。二年前,ネパールは大震災で大きな被害 が出た。しかし,トレッキングルートにある村々は幸い被害が無かったようだ。 アンナプル1峰を背に マチャプチャレ アンナプルサウス アンナプルサウスを背に ランドルンの段々畑 |
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